まずは頻度と基本を知っておこう
チェーンはエンジンの動力をタイヤに伝える大事な部品です。きちんとメンテナンスしておかないと、走行中に異音がしたり、パワーが伝わりにくくなったりすることもあります。とはいえ、難しいことはありません。清掃と注油を定期的に行うだけで、コンディションはかなり保てます。
頻度の目安としては、おおよそ500~1,000km走行ごと。雨の日を走った後や洗車後も、汚れや水分が残っていることがあるので、できるだけ早めにチェックしておきましょう。ツーリングに出かける前にも、軽く状態を見るようにすると安心です。
また、チェーンがたるみすぎていたり、サビが出ていたりした場合は、清掃や注油だけでなく調整や交換が必要になるケースもあります。まずはメンテナンスの基本から始めて、バイクとの距離を少しずつ縮めていきましょう。適切なタイミングで手をかけることが、トラブルの回避にもつながります。
清掃と注油の流れをおさらい
作業の前にバイクを安定させることが大切です。センタースタンドやメンテナンススタンドがあると後輪を浮かせた状態で作業ができ、チェーン全体に手が届きやすくなります。エンジンは必ず切っておきましょう。
まずは清掃から。専用のチェーンクリーナーを全体にスプレーし、数分置いて汚れを浮かせます。その後、チェーンブラシや柔らかいブラシでこすり、汚れを落としていきます。金属製ブラシはシールを傷める可能性があるので避けてください。
汚れが取れたら、ウエスで拭き取り、しばらく乾かします。水分やクリーナーが残ったままだと、注油したオイルがなじみにくくなります。
乾いたら注油です。チェーンの内側に向けて、ゆっくりタイヤを回しながらチェーンルブを均等にかけていきます。注油が終わったら、余分なオイルを軽く拭き取っておくと、走行中に飛び散りにくくなります。あまり多く吹きかけすぎないように注意しましょう。
保管と点検もメンテナンスのうち
メンテナンスが終わったら、保管環境にも気を配りましょう。屋外に置いている場合、雨や湿気がチェーンの劣化を早めてしまいます。カバーをかけたり、風通しのいい場所に置いたりすることで、状態をより良く保てます。
日常的な点検も習慣づけておくと、変化に気づきやすくなります。チェーンのたるみ、異音、サビなどは、見たり聞いたりするだけでもある程度チェックできます。気になったら、その都度メンテナンスを行うことで、不具合の予防にもつながります。
メンテナンスはバイクとの対話のようなものです。状態をこまめに見ることで、バイクのクセや傾向も少しずつつかめてきます。こうした積み重ねが、長く快適に乗るための下支えになるはずです。