一般有料道路における二輪車通行禁止の再検討

バイク事故と自動車事故との大きな違いというのはなんなのでしょうか。
それは、事故に遭遇したときの怪我の重傷度です。
自動車の場合は、事故に遭遇したときでも、まずボディがドライバーを守ってくれますし、
それ以外にも、シートベルトやエアバッグなど、
様々な装備が、ドライバーの命を守ってくれます。

それに比べて、バイクの場合、ライダーの体を守ってくれるのはヘルメットのみです。
車の場合ドライバーを保護してくれるボディは、
バイクの場合はかえって凶器になりかねません。
また、シートベルトなどつけようものならば、余計危険になってしまいます。
最近では、バイク用のエアバッグというのもあるようです。
これは着用するジャケットタイプで、事故の衝撃の瞬間にエアバッグが膨らみ、
ドライバーを保護してくれるというものです。

しかし、まだまだ普及率は低いものです。
伊豆にある、とある一般有料道路では、
今現在においては二輪車も通行をすることができます。
この一般有料道路は、静岡県の伊豆半島、熱海峠と天城高原を結ぶ、
伊豆半島を縦断する道路で、全長は40キロメートルあります。
この一般有料道路は、ライダーにもとても人気が高いです。

その理由のひとつとして、走りの楽しさがあるということです。
稜線をつなぐ道には、中速、高速のコーナーが連続しており、
心地よいワインディングロードとなっております。
さらに、景色がすばらしいというのもあります。
伊豆の山々があり、その向こうには海が見えます。
それが都心から少しバイクを走るだけで楽しめるのですから、
近郊のライダーにとっては、格好のツーリングのルートとなっています。

しかし、残念ながら、この一般有料道路は事故も多いのです。
この一般有料道路では、2009年の11月から、社会実験として、
通行料の値下げが行われていましたが、この通行料の値下げ以前にも、
この一般有料道路というのは、静岡県内のほかの有料道路と比べても、
事故率が2倍近くもあるということです。

この社会実験により、料金が値下げされたことで、
さらに多くのライダーがツーリングを楽しむチャンスが増えてきました。
そこで、地元警察ではこの社会実験にあわせて、
ライダーのマナー向上と現状の周知徹底を図ろうと、キャンペーンを展開してきました。
元プロのライダーによるライディング講習などを実施してきました。

さらに、二輪ライダーの中でも、二輪事故防止のための
安全運転意識運転マナー向上を呼びかける動きがでてきました。
その甲斐もあり、2009年11月の社会実験開始から2年近くは、
バイクの死亡事故ゼロを記録していました。
しかし、2012年の6月にバイクによる死亡事故が発生して、
再びこの一般有料道路をライダー通行禁止にしようという動きもでてきています。
一回とまってしまった死亡事故ゼロですが、ライダーが通行を続けるためには、
ライダー各自が今一度事故ゼロの意識を強く持つことが大切です。