事故のほとんどが時速40km以下で発生

事故の8割が時速時速40km以下で走行時に発生

スピードの出し過ぎは事故の元ですから、警察でもスピード違反の取り締まりに、力を入れています。
しかしその一方で、人身事故の約8割が時速40km以下の走行時に起こっているという報告もなされています。

警察庁交通局が公表した2020の交通事故の発生状況をみると、重傷事故では時速20km以下が最も多く、55.8%と全体の過半数を占めています。
時速20km超~30kmは13.0%、時速30km超~40kmは14.0%という危険認知速度別の交通事故件数となっています。
なお、危険認知速度別とは、運転者が事故の危険を察知した時点の車のスピードです。
時速40km超~50kmは10.1%、時速50km超~60kmは4.8%、時速60km超は1.8%と最も少なく、時速40km以下で重傷事故が発生している割合で考えると全体の82.8%を占めてることがわかります。

しかし死亡事故になるとやや事情が変わり、事故の割合は時速20km以下が25.2%と、約4分の1です。
時速20km超~30kmは8.8%、時速30km超~40kmは16.1%である一方、時速40km超~50kmは19.9%、時速50km超~60kmは16.5%、時速60km超は13.3%でした。
40km以下で死亡事故が発生している割合は50.1%で、40km超の割合は49.7%となっているのです。
およそ半々ですが、時速20km以下でも死亡事故が発生していることに驚きを感じる方も多いのではないでしょうか。

低速運転の事故の原因は、油断によるわき見や安全不確認が多い

警察庁のデータから、ゆっくり走っていても事故が起こることがわかります。
その理由として、「スピードを出していないから大丈夫」という油断が考えられます。
ある程度のスピードで走っているとき、人は事故を起こさないよう緊張します。
脳も刺激を受けて活性化し、注意力が高まるのです。

しかしスピードを出していないときは、脳も緊張を緩めてしまいます。
気の緩みから運転中にナビを見たり、景色に気を取られたりすることもあるでしょう。
また、横断歩道で一時停止や、左右の確認を怠りやすいのです。

スピードの出し過ぎが、死亡事故などの大きな事故に直結しやすいのも事実です。
しかし、スピードを出していないからといって油断は禁物なのです。
特にバイクはエアバッグなど身を守るものがありませんから、被害者だけでなくドライバー自身も大けがをするリスクが高いのです。
スピードの出し過ぎはもちろんですが、低速時の走行であっても安全にはくれぐれも気をつけて、楽しいバイクライフを送りましょう。