ヤマハが電動バイクで世界選手権に挑戦!

世界を舞台に戦えるまでに仕上がっている電動バイク

ヤマハは以前からいくつもの電動バイクを開発し、市場に送り出しているモデルも抱えていますが、その技術レベルはかなり高いところまで上がってきています。
それを象徴するかのように、今年ヤマハは「TY-E」をバイクの世界選手権「トライアルE」に参戦させると発表しました。

バイクの大会にはすでにいくつかの電動バイクが参戦していますが、世界選手権に出場するということで、ヤマハの電動バイクに対する自信を伺い知ることができます。
世界各国のバイクメーカーがその技術を集結して、パーツ一つ一つまで磨き上げた上で送り出すトライアルでは、世界最高峰のバイクが集まります。
その大会でも勝てるというほどの力を持った電動バイクがついに出てきたということで、世界中から注目を浴びているのです。

制御性が求められるトライアル

バイクの大会はいろいろな種類がありますが、トライアルというのはとくにバイクの性能自体が大きく勝敗を分けるものです。
タイムレースのように早く走ったものが勝ちという競技ではなく、岩場や悪路、林間などの難しいコースを走り、審査員が採点を行うことによって勝敗を決めます。
転倒や足を付く、エンストなどのスムーズさが欠ける行為が見られると減点されていくというシステムになっていて、バイクのバランスや制御性によって点数が大きく変わってくる傾向があります。

エンジンの強さを単純に競うというよりも、バイク全体のまとまりや総合的な能力のバランスが大きく問われるため、バイクメーカーとしてもこのトライアルには力を入れています。
その点でヤマハはこの競技に強いという強みがありますが、さらにその制御性の強みを電動バイクに入れ込んで今年の大会に送り込んでいます。

電動バイクのメリットが大きく発揮されることは間違いない

トライアルでは上記のように、バイク全体のバランスと制御性が問われることになりますが、その点では電動バイクには有利な点も多くあります。
モーターや大きな燃料タンクがいらないので、車重を軽くできることや重心のバランスを自由に変えやすいことなどです。
実際にヤマハのTY-Eを見てみると、パーツがガソリン車に比べるとかなり少ないように見え、中心部下方にぎゅっと凝縮されている感じがあります。

また、電動モーターは低速のトルクがとても強く粘りのある走りをしますので、低速で微妙にマシンをコントロールすることが多いトライアル競技ではより有利になるとも考えられます。
車体が軽くなるというメリットも併せて、よりコントロールのしやすいバイクとして仕上がっていますので、ライダーが自由自在にバイクを動かし無駄な動きを抑えられる分、全体的な動きもきれいになり採点も高くなるでしょう。