バイクに搭載されている単気筒エンジンとは

原付バイクなどの小型のエンジンに採用されるシステム

エンジンは基本的にシリンダーを持ち、そこでガソリンなどの燃料を燃焼させることによって動きます。
そのシリンダー、もしくは気筒が一つしかないものを単気筒エンジンと呼びます。

シリンダーの数にはバリエーションがあって、自動車では4気筒や8気筒が一般的です。
また、シリンダーを並べる方向にも種類があって、水平対向型やV型などがあり、それぞれに振動や重心、騒音などの特性の違いがあります。

このうち単気筒エンジンは、主に小さなエンジンに採用されるシステムで、バイクでは原付バイクや、小さな船用のエンジン、発電機などに用いられています。
単気筒エンジンはいろいろなメリットがありますが、出力パワーが小さいので大きなものには向かず、自動車では採用されていません。

単気筒エンジンのメリットとは?

単気筒エンジンにはいろいろなメリットがあります。
まず、構造が単純ですので、メンテナンスが簡単ですし、製造も簡単ですのでコストがかなり安く済むというメリットがあります。
さらに、一度に噴射するガソリンの量が少なくなりますので、燃費が良く維持コストもトータルでかなり抑えられるのが特徴です。

他にもトルクが高いという大きなメリットがあります。
スピードは伸びませんが、発進時のトルクが大きいのでグイっと伸びていく感じがあって、原付バイクでもスムーズな発進ができるのが魅力です。
一般的な原付バイクはオートマ仕様ですので若干燃費が下がりますが、クラッチを使うマニュアル車の場合はかなり燃費が伸び、経済性がぐんと上がるのがうれしいところでしょう。

単気筒エンジンのデメリットとは?

このように、いろいろなメリットがあるのが特徴の単気筒エンジンですが、当然逆にデメリットもあります。
たとえば、シリンダーが一つしかないため、どうしても出力が小さく、大きくて重いボディーは引っ張っていけないというのが最大のデメリットです。
そのため、自動車や大型バイクのようなパワーが求められるものには向きません。

そして、スピードが出づらいというのもデメリットと言えます。
発進時のトルクは高いのですが、スピードの伸びは悪く最高速度の上限が低いのが特徴です。
無理をしてスピードを出そうとしたり、重いものを運ぼうとしたりすると、騒音と振動が激しくなってしまうというのも単気筒エンジンの特徴となっています。

このように、メリットもデメリットもある単気筒エンジンですが、上手に使い分けることによってその良さを最大限引き出すことができます。
現在は原付程度の大きさのバイクには単気筒エンジンが採用されていますので、軽くて低速で走るのに適しているという特徴をうまく活かしていることが分かります。