BMWが発表した自動シフトアシスタントとはどんなもの?
2024年5月に、BMWモトラッドが新しい技術を採用した「自動シフトアシスタント(ASA)」を発表して話題になりました。
この発表はヨーロッパで行われたものですが、日本のバイク好きの間でもいち早く広がり、「どんな技術なのか」と注目が集まっています。
「自動」という名称が使われているように、操作の自動化を大胆に取り入れているのがこの新技術の大きな特徴です。
なんとクラッチとギアシフトの操作を自動化することに成功したもので、これによってライダーの負担を大幅に軽減することが可能になっています。
他のシフトアシスタントのシステムとの違いは?
では、従来のシフトアシスタントシステムとどのような点で異なるのでしょうか?
自動化のためにどのような新しいメカニズムが導入されたのか?この点が気になる方も多いはず。
今回のBMWの自動シフトアシスタントのポイントとなっているのは、電気機械式アクチュエーターを2つ搭載している点です。
このアクチュエーターによって手動でのクラッチ操作が不要になるだけでなく、クラッチ操作そのものが正確になることでライディングをよりスムーズに、快適にすることができます。
クラッチ操作が正確になれば安全性が高まるのはもちろんのこと、ライディングの爽快感を高める効果も期待できます。
さらにモードが2種類用意されており、まず「M」シフトモードでは足を使ったギアチェンジが可能となっており、自動化だけでなくライダー自身でのギアチェンジも行うことができます。
一方、「D」シフトモードではシフトポイントをエンジン制御ユニットが自動的に選択する機能が搭載されています。
これらの機能によってシフトアップの際に生じる衝撃が和らぐほか、周囲のバイクや車と接触するリスクを軽減できるとされています。
例えば、タンデムの際に衝撃によってライダーと同乗者のヘルメットが接触するリスクが軽減されたり、前方衝突警告と組み合わせることでより安全な走行を可能になったりといった効果が期待されています。
この新技術の採用モデルについて
このように単に自動化してライダーが「楽になる」だけでなく、快適な運転とライディング体験をもたらす機能も多く備えている自動シフトアシスタント機能。
そうなるとどのモデルに採用されるのかが気になります。
まだこの技術が発表されてから時間が経っていないため、具体的な採用モデルについてはまだ明らかになっていないのが現状です。
ただし、BMWモトラッドがこの技術の説明のために公開したエンジンは「R1300GS」のものとよく似ていたため、バイク好きの間ではR1300GS系のモデルに採用されるのでは?との見方が広がっています。
おそらく、まずこのタイプのモデルに採用されたうえでその後さまざまなモデルに採用されていく形となるのでしょう。
いずれにせよ、実装される日を楽しみに待ちたいところです。