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車の車線変更後に後続バイクが衝突

状況の概要

今回は、バイクが走行中の第1車線で、第2車線から急に車が車線変更してきたことにより驚いて転倒し、その後衝突するという事故について考察します。
過失に関しては、被害者(バイク)が60%、加害者(車)が40%と評価されました。

過失割合の理由

車が車線変更を行いバイクと衝突したため、「225」の規定に従うなら過失割合は20(バイク)対80(車)となるはずです。
ただし、バイク側の具体的な過失要因として、前方不注意(+10)、ハンドル操作不適切(+10)、加害車との車間距離が10mしかなかった(+10)、過去2年間に5回の同様の事故があった(+10)ということから、過失割合が60(バイク)対40(車)となりました。

実際の状況を考慮すると、加害車の前方に右折待ちの車がいたことから、加害車が第1車線に入ることは予見可能だったと言えます。
さらに加害車は車線変更前にウィンカーを点滅させていたので、バイク側も十分に注意を払うべきでした。

また、車線変更時にバイクとの距離が10mしかなかったものの、適切な対処ができれば回避も可能だったと考えられます。
過去に同じような事故が繰り返されていたことも、過失割合が高くなる大きな要因となりました。
ただし、バイクが転倒した主な原因は加害車にあり、ある程度の過失は存在すると判断されたため過失割合がバイク60%、車40%となりました。

バイク側も油断せず常に周囲に注意をはらい不測の事態を予測すべき

バイクのライダーが留意すべきポイントとしては、周囲の状況を常に確認し、特に交差点や車線変更が予想される箇所ではより一層注意を払うことが重要です。
十分な車間距離を維持することで急な状況変化にも対応しやすくなり、衝突の危険性を減らすことができます。

ハンドル操作については、緊急時にも冷静に適切な対応ができるように正しい操作方法を習得することが大切です。
また、焦らず適切な操作を行うことで、事故を未然に防ぐことができます。
ほかの車両の動きや信号機の状況を予測し、右折待ちの車両がいる場合や車線変更の兆候がある場合には注意して対応することが要求されます。

過去に起こした事故を繰り返さないよう事故原因を検討し、改善策を見つけることが大切です。
自分の運転技術や習慣を見直し、安全運転を心掛けることが求められます。
加えて、定期的にバイクの整備を実施し、車体やブレーキなどの機能が正常に作動するようにしておくことも重要です。
これにより、緊急時にもバイクが正確に反応し事故のリスクを低減することができます。

上に挙げた注意すべきポイントを把握し、安全運転を徹底することで事故のリスクを最小限に抑えることが可能です。
そうすることで、万一同様の事故が発生した場合でも、過失割合を高める要因が少ない分、被害者過失の割合を抑制することにもつながります。

高校生に多い隠れ乗り

高校生の隠れ乗りとは?3ない運動に一因

バイク事故死の削減を目指し、バイク関連団体は2030年までに死亡事故を半分にする目標を設定しています。
高校生を含む運転免許保持者に対する安全教育の対象を広げ、事故防止に努めたいと学校教育との連携を望んでいますが、「3ない運動」という制約によりなかなか成果が上がりません。

1982年に全国高等学校PTA連合会により決議された「3ない運動」は、高校生が免許を取らない、バイクを与えない、運転させないことを徹底させ、現在でも全国約半分の地域で実質的に続いています。
しかし、道路交通法は16歳から運転免許が取得できることを認めているため、学校に内緒で免許を取る「隠れ乗り」が後を絶ちません。
結果として、不慮の事故が起きることがあります。

「3ない運動」が実施されている地域では、高校生の免許保持者が事故に遭っても交通事故として扱われず、生徒指導の対象とされます。
場合によっては停学や退学といった厳しい処分が下され、問題が沈静化させられます。

若年層のバイク死亡事故を減らすには

バイク関係者は教育現場が古い考えに囚われたまま生徒指導を続けることに疑問を感じており、運転技術の未熟な若年ライダーによる死亡事故が年間一定数発生していることに危機感を持っています。
無免許運転ではなく、免許を取得した高校生に対して適切な安全教育を行うべきだと主張しています。

「3ない運動」が施行されている地域の高校生は、免許取得が学校にばれることを恐れ、「隠れ乗り」として行動せざるを得ません。
バイク業界は、少なくとも生徒指導をやめ、学外で免許取得を認めることで生徒が安全教育を受けられるようにするべきだと提案しています。
その結果、社会が要求する安全運転の技術を身につけた上で社会に出ることが可能となると主張しています。

しかし、バイク業界も教育現場と同様に「3ない運動」の影響を受けています。
日本自動車工業会二輪車委員会によれば、教育委員会や学校からの依頼があれば指導員を派遣するなどの対応は可能ですが、個人からの依頼は受け付けていないとのことです。
「3ない運動」が実施されている地域において「隠れ乗り」が生じているにもかかわらず、教育委員会や学校からの依頼がない限り、高校生に安全運転講習が受けられないというバイク業界団体の姿勢には矛盾があると言えるでしょう。

最終的には、「3ない運動」の見直しと教育現場とバイク業界の連携が必要となるでしょう。
高校生が安全にバイクに乗ることができる環境を整えるためには、教育現場が古い制度に囚われない柔軟な対応をし、バイク業界も個人からの依頼に対して積極的に対応することが求められます。
そうした取り組みによってバイク事故死の削減を目指すとともに、若者が安全にバイクを楽しむことができる社会を実現できることでしょう。

ウガンダ政府がエンジン搭載バイクを電動バイクに無料交換

政府と投資家たちで電動バイクを無料提供するための契約を締結

ウガンダ・ナイルポストが2023年1月1日に報じたところによれば、ウガンダ政府はバイクユーザー全員を対象に内燃機関バイク(ICE)と電動バイクの無償交換を進めるため、投資家らと提携を結んだとのことです。
世界中で多くの国が2050カーボンニュートラルを目指し、政府の支援策を通じて電気自動車(EV)への移行を促進しています。

これには大きな公的資金が投入されることが一般的ですが、ウガンダ政府は投資家たちの資本を活用して、この目標を達成しようとしているようです。
報道によれば、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領は複数の投資家と協力し、東アフリカで人気のバイクタクシー「ボダボダ」を含むすべてのバイクユーザーに対し、ICEバイクと電動バイクの無償交換を行うことを年末の国民向け演説で発表しました。

無料交換の仕組みは?

この無料交換はどのように実現されるのでしょうか?
ムセベニ大統領の説明では、投資家たちがこの事業に資金を提供することで、電動バイク利用者が使う充電ステーションの運営ライセンスを得られるとのことです。
つまり電動バイクのインフラ運営の権利を与えることで、将来的な長期利益によって投資家たちが資金を回収できるわけです。

またムセベニ大統領は、現行のボダボダ運転手たちが政府の無料交換プログラムに参加することで、運営コストを50%削減できるとアピールしています。
電気を使用することで燃料費が大幅に抑えられるため、資金節約を望む人々にとっては魅力的な提案と言えるでしょう。

首都カンパラにおける移動の40%を占めるとされるボダボダは、ウガンダ経済において重要な役割を果たしています。
このボダボダの電動化は、投資家にとっても魅力的な投資先となるでしょう。
民間資本を活用して環境対策とインフラ整備を同時に実現しようとするウガンダ政府のアプローチは、独創的であるとして今後高く評価されるかもしれません。

ウガンダにおける電動バイクの価格は、約500万ウガンダ・シリング(おおよそ17万8,890円)となっています。
電動バイクはICE搭載バイクよりも高価な商品ですが、バッテリーのコストはリース方式でカバーされ、ステーションで交換する際に一定の料金を支払うだけで済むようになっています。
この料金は、近年高騰しているガソリン代に比べるとかなり安いものです。
この事実が、大統領が主張する運用コストの50%削減の根拠となっています。

ボダボダだけでなく、ウガンダ政府はバスなどの交通システム全般をICEから電動化へとシフトさせる計画を推進しています。
東アフリカ地域の輸送量の70%がガソリンを使うICE搭載の二輪および三輪車によって担われているとの調査結果がありますが、電動化が計画通り進むとCO2排出量の大幅な削減も現実味を帯びてくるでしょう。

スプロケットの働きとは

バイクにおける「スプロケット」の重要性

スプロケットは、バイクのエンジンから得られるパワーをリアタイヤに伝える役割を担っています。
エンジン側にある「フロントスプロケット」とリアタイヤ側の「リアスプロケット」をチェーンが繋ぎ、力が伝わる仕組みです。
スプロケットは連続して高速回転するチェーンと接触しており、金属同士の摩擦が発生するため、非常に過酷な状況下で働いています。

スプロケットの材質について

スプロケットの材質には、おもにアルミニウムとスチールがあります。
両者の違いは、重さと耐久性です。
アルミニウムはスチールの約1/3の重さなので、同じ形のスプロケットでもアルミ製はスチール製の1/3の重さになります。
そのため、運動性能が大幅に向上するのがアルミ製のメリットです。

ただし、耐久性はスチールがアルミニウムより優れています。
アルミ製スプロケットの寿命は約1万~2万kmですが、スチール製は約2万~4万kmと倍以上の耐久性です。
なお、新車には排気量にかかわらず、コストや耐久性を考慮してスチール製スプロケットが標準装備されています。
モトクロスなど競技用モデルではアルミ製スプロケットが採用されることもありますが、公道走行用のモデルはいずれもスチール製です。

なお、フロントスプロケットにはスチール製しか存在しません。
エンジンの出力に関係なく、カウンターシャフトから直接パワーを受けるフロントスプロケケットには高い強度が求められるため、スチールが適しているのです。
フロントとリアのスプロケットで使用されるスチールには異なる材質が用いられ、フロントスプロケットにはクロムモリブデン鋼が、リアスプロケットにはスチール(S45C)が採用されています。
また、スチール製のスプロケットは、強度を高めるために焼き入れが施されてから出荷されるのが特徴です。

スプロケットの歯数を表す「丁」という単位

一般的にスプロケットの歯数は、「丁(ちょう)」という漢字で表記されます。
英語で歯を意味する「Teeth」の頭文字「T」と丁が似ていることから、このような表記が使われるようになったといわれています。

多くのスプロケットは車種専用に開発されています。
同じ歯数でも「ボス」と呼ばれる突起があるタイプや、チェーンのサイズが違うことにより厚みが異なるため、歯数が同じだけで別の車種に適合するわけではありません。
ただし、一部のスプロケットなど他メーカーのモデルでも使用可能な汎用タイプがあります。

バイクの性能を向上させるためには、スプロケット選びが重要です。
軽量化を優先するのか耐久性を重視するのか、バイクの用途や走行条件に合わせて適切な材質や歯数のスプロケットを選ぶことが大切です。
スプロケットの交換時期や適切なメンテナンス方法にも注意を払い、バイクの走行性能を最大限に引き出しましょう。