ウガンダ政府がエンジン搭載バイクを電動バイクに無料交換

政府と投資家たちで電動バイクを無料提供するための契約を締結

ウガンダ・ナイルポストが2023年1月1日に報じたところによれば、ウガンダ政府はバイクユーザー全員を対象に内燃機関バイク(ICE)と電動バイクの無償交換を進めるため、投資家らと提携を結んだとのことです。
世界中で多くの国が2050カーボンニュートラルを目指し、政府の支援策を通じて電気自動車(EV)への移行を促進しています。

これには大きな公的資金が投入されることが一般的ですが、ウガンダ政府は投資家たちの資本を活用して、この目標を達成しようとしているようです。
報道によれば、ウガンダのヨウェリ・ムセベニ大統領は複数の投資家と協力し、東アフリカで人気のバイクタクシー「ボダボダ」を含むすべてのバイクユーザーに対し、ICEバイクと電動バイクの無償交換を行うことを年末の国民向け演説で発表しました。

無料交換の仕組みは?

この無料交換はどのように実現されるのでしょうか?
ムセベニ大統領の説明では、投資家たちがこの事業に資金を提供することで、電動バイク利用者が使う充電ステーションの運営ライセンスを得られるとのことです。
つまり電動バイクのインフラ運営の権利を与えることで、将来的な長期利益によって投資家たちが資金を回収できるわけです。

またムセベニ大統領は、現行のボダボダ運転手たちが政府の無料交換プログラムに参加することで、運営コストを50%削減できるとアピールしています。
電気を使用することで燃料費が大幅に抑えられるため、資金節約を望む人々にとっては魅力的な提案と言えるでしょう。

首都カンパラにおける移動の40%を占めるとされるボダボダは、ウガンダ経済において重要な役割を果たしています。
このボダボダの電動化は、投資家にとっても魅力的な投資先となるでしょう。
民間資本を活用して環境対策とインフラ整備を同時に実現しようとするウガンダ政府のアプローチは、独創的であるとして今後高く評価されるかもしれません。

ウガンダにおける電動バイクの価格は、約500万ウガンダ・シリング(おおよそ17万8,890円)となっています。
電動バイクはICE搭載バイクよりも高価な商品ですが、バッテリーのコストはリース方式でカバーされ、ステーションで交換する際に一定の料金を支払うだけで済むようになっています。
この料金は、近年高騰しているガソリン代に比べるとかなり安いものです。
この事実が、大統領が主張する運用コストの50%削減の根拠となっています。

ボダボダだけでなく、ウガンダ政府はバスなどの交通システム全般をICEから電動化へとシフトさせる計画を推進しています。
東アフリカ地域の輸送量の70%がガソリンを使うICE搭載の二輪および三輪車によって担われているとの調査結果がありますが、電動化が計画通り進むとCO2排出量の大幅な削減も現実味を帯びてくるでしょう。