あの伝説のバイクがフルモデルチェンジ

皆さんは、新聞配達の人を見たことがありますか。
早朝に来ることが多いので、見たことがない人も方が多いかもしれません。
新聞配達では、自転車が使われることもありますが、多くの場合はバイクが使われます。

皆さんは、郵便配達の人を見たことがありますか。
これは昼間に走っているので、見たことがある人も多いと思います。
青いつなぎのような服に赤いバイクがとてもカッコいいです。

皆さんは、蕎麦屋の出前を見たことはありますか。
昔は自転車の出前もありましたが、自転車でそばの出前をしていると、
絶対出会いがしらに衝突して、そばが路上に散乱するというのが、テレビでのお約束でした。

これらに共通することは、皆さん同じタイプのバイクを使用しているということです。
とはいえ、細かい仕様は異なります。
新聞配達の人は、バイクの前かごに新聞を入れて配達しています。
郵便配達の人は、後ろの箱のようなものに郵便物を入れて配達をしています。
蕎麦屋の出前は、おかもちを後ろの出前機に載せて出前をします。
実はこのバイク、今から60年前の1952年に発売されて以降、
本格的なモデルチェンジというのがされてきませんでした。
ということは、いかにこのバイクの性能が優れていたかということを物語っています。

しかし、2012年、このバイクがとうとうフルモデルチェンジを果たしたのです。
外国で生産をすることで、販売価格が安くなりました。
これは、日本のバイク業界において、重大ニュースでした。
このバイクというのは、海外でももちろん販売されていますが、日本でも販売をされています。
現在でも売れ続けているその理由というのは、何といっても燃費がよいということです。
かつてのカタログでは、リッター180キロメートルという、驚異の数字をたたき出していました。
2007年のカタログでは、多少数字は落ちたものの、リッター146キロメートルです。
排ガス規制の問題もあり、燃費を多少下げて排ガス対策に乗り出し、
最終的には、リッター110キロメートルから116キロメートルということです。

しかし、これらの数値はあくまで、安定走行をした場合の数値です。
実際のビジネスユースで使われる場合、一定速度で走り続けることはなく、
信号待ちがあったり、配達のため停止したりということがありますので、
よくてリッター90キロメートル、ラフな使い方をするとリッター45キロメートルにまで
悪化はします。それでも、かなり燃費はいいです。
次に頑丈さです。
その逸話として、エンジンオイルではなく
「灯油や天ぷら油でも走る」という都市伝説がまことしやかに叫ばれています。

メーカーの開発者としての見解は「おそらく事実」という、驚くべき回答でした。
エンジンオイルへの負担が少ないため、そういった油を使っても大丈夫ということです。
また、このバイクが作られた当時は、未舗装の道路も多く、
それを考慮して作られたために、無茶な使い方をしても壊れないといわれています。
アメリカのテレビ番組では、屋上からバイクを投げ捨てても、
その後エンジンがかかったという頑丈さを見せてくれました。