交通公共物を壊したら弁償しなければならない?
バイクで物損事故を起こしてしまった場合、基本的には壊したものを弁償する必要があります。
では、これが交通公共物だったらどうなるのでしょうか?
例えば信号機に衝突して壊してしまった場合には弁償の責任が生じるのでしょうか?
長くバイクを運転している方でも知らないことが多いのではないでしょうか。
この点に関しては、「基本的には弁償する必要がある、けれども状況によって異なる」という少々曖昧な回答になります。
信号やガードレールなどは風雨に晒され、さらに石や砂がぶつかるなどして自然と損耗や劣化が生じます。
それを維持するために税金が投入され、つねにきちんと機能する状態が保たれているわけです。
ですから、バイクの接触などで傷がついた場合でも弁償させることはない傾向が見られます。
ポイントとなるのはやはり「壊してしまったかどうか」、つまり信号機やガードレールが本来の役割・機能を維持できなくなるくらいの損壊をもたらしてしまった場合には弁償、もしくは修理費用の義務が生じます。
例えば信号機を柱ごと壊してしまった場合には、弁償費用は総額で300万円を超えると言われています。
ガードレールの場合、修理する範囲が1メートルにつき4000~5000円程度、道路標識は高額の場合には100万円に達することもあります。
こうして見ても、かなりの額の負担が求められるのです。
気になるのは、こうした交通公共物がバイク保険(物損保険)の対象になるかどうかですが、基本的には対象になります。
加入している任意保険の条件を満たした状況なら、その補償の範囲内で弁償額を保険金として受け取ることができるのです。
なお、もし請求された交通公共物の弁償額に納得がいかない場合には示談交渉を行うことも可能です。
どうしても公的な機関から請求されると変更できないイメージもありますが、請求された金額の再検討を求めることもできるのです。
この点も加入している保険会社が交渉してくれる場合があるので、万一の時には相談してみるとよいでしょう。
もし弁償から逃げようとしたら逮捕もあり得るので要注意!
ひとつ注意したいのは、事故で交通公共物を壊してしまったのにその場から逃げ出してしまった「当て逃げ」のケースです。
交通公共物を壊してしまった場合には警察に連絡する「報告義務」が生じるため、逃げてしまった場合にはその報告義務を行ったことで道路交通法違反の処罰の対象になる恐れがあります。
そして警察側が逃亡の恐れあり、と判断した場合には身柄を拘束するために逮捕するケースもあります。
実際に逮捕まで至るケースはほとんどありませんが、弁償から逃げようとするともっと厄介な状況に追い込まれる可能性があることは知っておいて損はないでしょう。
事故を起こすとどうしても動転してしまうものですが、逃げ出す選択肢だけは避けるようにしたいものです。