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タイヤのバーストとパンクの違い

タイヤが爆発する!?バーストの原因と対処法

バーストとパンクはどちらもタイヤのトラブルですが、その内容は大きく異なります。
バーストはタイヤが破裂するトラブルで、原因は主に「空気圧が適切ではない」ことと「タイヤの劣化」です。

タイヤはバイクを支える足ですから、常にバイクの重みが掛かっており、その分だけ平たく潰れた形になっています。
そして空気圧が低いと、潰れる度合いが大きくなります。
平たく潰れた状態のまま走ると、タイヤが高速で回転したときにたわみが元に戻るのが追いつかず、ぐにゃぐにゃと変形しながら回転します。
波のように変形するので、このような状況を「スタンディングウェーブ現象」と呼んでいます。

この現象が発生すると、バイクの振動が大きくなる、ゴムが焼けるような異臭がするなど、ふだんとは異なる状況になるのが一般的です。
異変に気付いたら、すぐに運転をやめましょう。

逆に、空気圧が高すぎてもバーストの原因になります。
特に夏場など気温が高い季節は、道路もかなり熱くなっています。
このような路面にタイヤとの摩擦熱が加わると、タイヤに負担がかかりバーストしやすくなるのです。
タイヤの空気圧を常に適正に保つよう、こまめにチェックしましょう。

タイヤの劣化もバーストの原因で、タイヤのゴムは熱や紫外線などで劣化していきます。
劣化したゴムはひび割れを起こし、そこから水分や異物が侵入しやすくなります。
それらがタイヤにダメージを与え、バーストを起こす原因となります。

万が一バーストが起こったら、落ち着いて対処しましょう。
急ブレーキや急ハンドルを切るのは禁物で、後続車に減速することを知らせるため、ブレーキランプが点滅する程度にじわっとブレーキをかけましょう。
そしてそのまま、エンジンの惰性でゆっくりと路肩を目指してください。
路肩までたどりついたら、安全な場所まで押して駐車します。

バーストを起こすと事故のリスクが高まり危険ですから、スタンディングウェーブ現象などの異変を見逃さないようにしましょう。
一度バーストしたタイヤは、修理ができません。
JAFなどのロードサービスやバイクショップなどに、タイヤ交換を依頼しましょう。

タイヤに穴が開くパンクの原因と対処

パンクは、タイヤに穴が開いて空気が抜けるトラブルです。
道路には釘やガラスの破片、金属片、小石などさまざまなものが落ちています。
特にバイクで走行することの多い路肩はゴミや異物が集まりやすいく、走行中に異物を踏みつけ、パンクを起こすケースが多いのです。

バーストは急激に空気が抜けて破裂しますが、パンクは穴が開いたか所から徐々に空気が抜けていくケースが大半です。
このため初期は気がつきにくいのですが、放っておくとそこから空気が抜けて、タイヤやホイールの故障・破損の原因になります。

パンクをした場合の対処法は、自分で修理をする方法と、バイクショップなどで修理をする方法の2つです。
チューブレスタイヤであれば、修理キットを使って自分で修理することができます。
ただしこれはあくまでも応急処置にすぎませんから、応急処置を済ませたらバイクショップなどで修理をしてもらいましょう。

単独事故で適用されない自賠責保険

自賠責保険の主な概要

車やバイクを所持している方なら、自賠責保険のことは当然ご存じのことと思います。
自賠責保険は、強制保険あるいは、単に自賠責と呼ぶこともありますが、正式には「自動車損害賠償責任保険」という名称の保険です。
まず、自賠責保険が、何の目的でを作られたのかをご説明しましょう。
自賠責は、車やバイクの保険として知られていますが、実は法的にも定められた制度の一つなんです。

1955年に、施行された自動車損害賠償保障法により、車やバイクを運転する運転者にはすべて義務付けられています。
保険に加入していなければ、被害者に保証金や賠償金を支払うことができません。
それが、強制保険という制度がつくられた背景です。

自賠責保険は単独事故には使えない

前項で、自賠責保険の大まかな概要をお伝えしましたが、自賠責保険の趣旨は、被害者に対する補償金や賠償金を目的としています。
したがって、依頼者の存在しない単独事故には、当然使えないことになります。
そもそも、なぜ被害者の保護目的に、こうした自賠責保険の制度が作られたか、もう少し詳しくご説明しておきます。

当時、車が増え続けるとともに、事故の増大もあり加害者が被害者に対し、十分な補償が出来なかったという背景があります。
簡単に言えば、加害者にお金がなければ、被害者は泣き寝入りするしか他なく、こうした弱者救済のために、自賠責保険は強制保険としてつくられることになったんです。

自賠責保険の補償範囲を理解しておこう

まず、前項で解説したように、自賠責保険は被害者庇護目的の保険であるため、単独事故などの物損事故にも適用されず、人身事故のみに対応している保険です。
では、自賠責保険の補償範囲とは、具体的にどのようなものなのかを説明しておきます。
まず事故を起こした場合、補償対象となるのは、被害者と被害者側の同乗者及び、加害者側の同乗者となります。

保証人数には限りがなく、すべての被害者に対して、保険が適用されることになります。
被害者一人あたりの補償金の上限もあり、傷害事故と死亡事故、そして後遺障害によって上限が定められています。
また、保険ということもあって、被害者の過失によっては、保険金が減額されることもあります。

単独事故に遭った場合のための任意保険

これまでご説明したように、自賠責保険では、運転手のみが補償されない保険ということが、よくお分かりになったのではないでしょうか。
自己責任で加入する、任意保険との大きな違いは、この点にあるといってもよい でしょう。
任意保険の種類には、車両保険や人身傷害保険などがあります。
任意保険の場合、物損事故にも対応しているため、自損事故でも対応可能です。

任意保険の特徴は、オプションによる補償を加えることができるという点です。
保障の種類にはさまざまあり、単独事故に備えるためには、人身傷害保険や車両保険、自損事故傷害特約などをつけておきましょう。
また、搭乗者傷害保険にも、加入しておいた方がよいでしょう。

転倒事故の被害を最小限に抑えるには

極端に多いバイクの転倒事故

皆さんは、バイクの免許を取得する際に、交通事故の恐ろしさを説明されたかと思います。
しかし、免許取得中の教習や講習会でも、実地での転倒事故を学ぶ機会は、極端に少なかったのではないでしょうか。
バイクと言えば、どうしても転倒の危険性が常につきまといます。

二輪車という構造上、いたし方のないところですが、転倒事故で意外に多いのが、いわゆる「立ちごけ」と呼ばれる転倒事故です。
怪我が無ければ、笑い話で済みますが、中型バイクでも100㎏以上もあるため、足が挟まれてしまうと骨折してしまうこともあります。
また、マフラーなど、エンジンに近い場所は過熱していますので非常に危険です。

プロテクターの装着

死亡事故を含めて、バイク死亡事故で致命傷が集中するのが、頭部/胸部/腹部の損傷です。
死亡事故に至らない怪我でも、脚や腕/頸部の負傷や損傷などがみられることから、特に上半身にけがを負いやすいことがよくわかります。
交通事故により、命が助かったとしても、各部の損傷がひどければ、その後の生活が送れないといったケースも考えられます。

実際に、バイク事故が原因で、車いすの生活を余儀なくされたといった方は多く、国会議員となった、元モトクロス選手のことをご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
したがって、バイクにお乗りになるライダーの皆さんは、交通事故を前提として、プロテクターの装着をおすすめします。

バイク用のエアバックに注目 !

プロテクターの場合、ヘルメットのように、法的に義務付けられてはいません。
しかし、被害のリスクを少しでも減らすためには、近場であっても必ずプロテクターの装着をしましょう。
また、革ジャンやジャケットなどの着用ですが、擦り傷や裂傷などには一定の効果がありますが、強い衝撃時の打撲や骨折にはあまり効果はありません。

したがって、通勤や通学にしか使わない方でも、プロテクターを身につける習慣をもつ必要があります。
最近のプロテクターは、装着も簡単で、動きをあまり阻害することもありません。
また、最近では、バイク用のエアバックも販売されていますので、ぜひご購入を検討してみてください。

ほかにもある転倒事故の被害を抑える対策

転倒事故の被害を、抑える対策はほかにもあります。
まず、日ごろから安全走行を心掛けることは、最低条件として守っていきましょう。
もし万が一、危険な場面に遭遇した場合でも、可能な限りブレーキでスピードを落とすのも、転倒事故の被害を抑える工夫の一つです。

最近のバイクであれば、ABSブレーキの装着が義務付けられていますので、思いきりブレーキをかけても、タイヤがロックされることはありません。
バイクの場合は車とは違い、フロントとリヤ両方ブレーキがかかりますので、比較的短い距離で停止することができます。
転倒したとしても、スピードを落としているので、致命的なダメージをこうむりにくいのもメリットの一つです。

バイク事故で死亡事故が多いのはなぜ

バイク事故の死亡率

バイクは、風切り音を体感でき、自然の景色を眺めながら走行できるため、非常に快適な乗り物です。
しかしその一方で、車のようにシートベルトもなく、身体もむきだし状態ですので、事故に遭えばすぐに投げ出されてしまいます。
バイク事故の死亡率が高いのも、こうしたことが要因で、少しでも死亡率を下げる為に、プロテクターやカードなどの防護服が推奨されています。

昨年のデータを見てみると、2020年度での全国の交通事故件数は、警視庁の調べで2,839人でした。
その内訳をみると、バイク死亡事故は、全体の18.5%とかなり高い水準であることがよくわかります。
都内では、さらに25.8%と跳ね上がり、都内のバイク死亡事故の多さが目立っています。

バイクの死亡事故の内訳

バイクの死亡事故の原因は、生命維持活動に必要な、重要な個所の損傷によるものです。
具体的に言えば、主なバイクの交通事故の損傷部位となっている場所は、頭部/胸部/腹部の順で、死亡事故につながりやすくなっています。
では、どのような事故が、その要因になっているのか、都内を例にしてバイクの死亡事故の内訳をご覧いただきましょう。

『都内のバイク死亡事故例』
・損傷部分は、頭部が50%と最も多く、次いで胸部25%腹部10%と続く。
・バイクの単独事故が最も多く、次いで右折時の事故と続く。
・通勤時や通学時の事故が目立ち、出勤や帰宅時間など、ラッシュ時に事故が最も多い。

死亡事故になりやすい原因

地方に比べ、都内など大都市に、バイクの死亡事故が多いのは、ラッシュ時などに車の交通量が多いことが主な原因です。
しかし、死亡事故にかかわる損傷部分は、頭部/胸部/腹部の順で多いのは変わらず、ヘルメットやプロテクターの着用が、命を守るために重要なものということがよくわかります。
バイクの死亡事故につながりやすい原因としては、第一にバイクは死角に入りやすいことが挙げられます。

トラックなど、大型車両の側面や後方に隠れてしまうと、サイトやバックミラーに映りづらくなります。
また、四輪車とは違い、バイクの場合はフロントとリア部分とで、ブレーキが独立しています。
短い距離でも停車しやすいことから、バイクの急停車による追突事故の危険性も、頭に入れておかなければなりません。

バイク安全運転のポイント

最近では、各地域でバイクの安全講習が、頻繁に行われるようになってきました。
バイクを安全に乗りこなすためには、こうした安全講習を受けるのも一つの方法です。
バイクの安全運転のポイントとしては、車の死角に入やすいため、なるべく前方の車から見える位置に走路を取りましょう。

バイクのヘッドライト点灯が、義務付けられたのもこうした安全目的のためで、ほかの車からも目立ちやすいといった特徴があります。
また、死亡事故にはつながりにくいのですが、意外と多い事故にバイクのすり抜けがあります。
停車時は、ほかの車は前方を見ている場合が多いため、すり抜けに気がつかず、事故につながりやすいのです。