スイスのスッターがマン島TTに参戦!

ついに明らかになった2ストロークバイク

現代の技術を駆使し、新しく2ストロークバイクを作るといわれていることは、世界でも大きな話題となっていましたが、ついにそのバイクがお目見えしました。
Suterが作り出したそのバイクはパワーウェイトレシオ(出力重量比、重さに対する馬力の大きさを表した数値、日本の場合、単位馬力あたりの重量を指すため、値が小さいほど加速性に優れていることを表す)が0.65という数値のバイクです。

正式名称は「Suter MMX500」です。
モダンなスタイルと伝統的メカニカルを併せ持っている究極のバイクといえます。

ありえないと思うほどのモンスターバイク

13000回転で195馬力、しかも重量は127kgという驚異的なバイクです。
99台しか制作されないというこのバイクは、顧客のオーダーを反映して作られるバイクであり、多くのライダーたちが注目しています。
576ccの2ストロークV4エンジン搭載、電子制御のインジェクション搭載で、ボア×ストロークは56×58.5m、このエンジンは最高速度310km/hに達するとSuterが伝えています。

このバイクが作られた背景には、Suterがバイクオーナーにサーキットの2ストローク時代のマシンが集まっている場で利用していただきたいと考えたようです。
間違いなく、このバイクがそのような場所に登場すれば、パドッククイーンになるでしょう。

マン島TTで走行する模様

このMMX500は、6月に行われるマン島TT(イギリス王室属領マン島で1907年くらいから行われてきた「公道」を利用する市街地レースで「Tourist Trophy」を略しTTと呼ばれ、当初は都市同士を結ぶ長距離レースだったが現在は周回コースで行われる)に参戦する事といわれています。
つまり、2ストロークV4エンジンのバイクが国産1000ccクラスとマン島で勝負するという光景を見ることができるという事なのです。

クラシックレースに参加するのではなく、最新のスーパーバイクが参戦するマン島TTに参戦するという事は、今年から最大排気量が1200ccとなったレースに参加するという事です。
もちろんSuterとしては最高のバイクテクニックを持っている優秀な選手にコンタクトをとると予想されています。
このレースに誰がMMX500にのり登場するのか、これは見ものです。

マーケティングディレクターのフィリッペ・スッターは、元TT優勝ライダーの2人に声をかけていることを明かしています。
TTのコースを熟知している元優勝ライダーがどのような走りを見せるのか、誰もが見たいと思うのも無理はないでしょう。

エスキル・スッターはこのバイクのパワーウエイトレシオを誇りにしています。
MMXのロードバージョンが市販される予定となっているので、マン島TTは、その試験的レースとなると興奮気味に伝えています。
全長60kmというマン島TTサーキットは一時期グランプリカレンダーに組み込まれたこともある伝統あるサーキット、ここでMMX500の走りを見ることができるというのは、誰もが興奮せずにいられません。