江東区の駐輪場でバイクが駐車可能に

自転車条例とバイク駐車場の関係とは?

江東区が自転車駐車場にバイクも止められように、自転車条例を改正しました。
自転車条例は、自転車の安全な利用を目的にさまざまな決まりを設ける制度です。
国の法律ではなく、都道府県や東京23区などの自治体が独自の条例を設けています。
つまり、自治体によって自転車に関する決まりの内容が異なるのです。

とはいえ、各自治体ともに大きな違いはありません。
本来、自転車条例の対象となるのは自転車と排気量50cc以下の原動機付自転車です。
このため多くの自治体では、自転車駐車場が利用できるのは自転車と原動機付自転車一種に限定しています。

しかし現在、このルールを見直す自治体が増えつつあるのです。
江東区もその一つで、2022年に条例の改正が行われ、50cc以上のバイクでも利用可能な駐車場が登場しました。

江東区のバイク駐車場に関する取り組み

江東区では2022年に自転車条例の内容を変更し、バイクの受け入れをスタートさせました。
具体的には、これまで原付一種しか駐車できなかったバイクについて、排気量125cc以下の原付二種と、排気量125ccを超えるバイクの定期利用を可能にしたのです。

ただし、区の自転車駐車場で利用できるバイクの排気量に関しては各駐車場がルールを決めるようになっています。
このため、区内のすべての駐輪場で原付二種以上のバイクを受け入れているわけではありません。
2022年現在、原付一種以外のバイクが駐車できるのは4か所のみとなっています。

4か所の駐車場の中でも、すべての二輪を受け入れているのが「亀戸駅北口第三自転車駐車場」です。
こちらは自転車、50cc以下の原付一種、125cc以下の原付二種、125cc超のバイクの利用の駐車が可能になりました。
条例が改正されたとはいえ、2022年現在、125cc超のバイクが駐車できるのは江東区内でもこの自転車駐車場だけです。

残りの3か所は、125cc以下の原付二種までしか受け入れていません。
たった1か所ではありますが、地方自治体が大型バイクの駐車を認めるのはかなりレアなケースで、注目を集めています。
そして125cc以下の原付二種が利用できるのは、「南砂町駅西口自転車駐車場」「潮見駅自転車駐車場」「新木場駅南自転車駐車場」の3か所です。

これまで50cc以上のバイクは、自転車条例の対象外であることから「自転車駐車場に50cc以上のバイクが駐車できないのは当然のこと」という認識が一般的でした。
現在でもこの考えに基づいて、自転車駐車場の利用ルールを決めている自治体が大半です。
しかし近年、このようなルールはナンセンスという声が増えつつあります。
なぜなら都市部を中心に、全国的にバイクが駐車できるスペースが不足しているからです。

だからといって、新たなバイクの駐車スペースを新設するのが難しいケースも多いでしょう。
そこで自動車駐車場の利用が検討されているのです。
江東区では、今後もバイクを受け入れる自転車駐車場が増えていくと考えられます。
また江東区以外でも、このような取り組みが進めば、バイクの駐車環境が改善されるのではないでしょうか。