バイクブームをブームで終わらせないためには

コロナ以降、見直されているバイク

新型コロナウイルス感染症の拡大以降、私たちの生活スタイルは大きく変わりました。
三密を避けるために、自宅でのテレワークの増加が普及し、生活の場所を職場に近い都心から郊外へと変える動きも目立ちます。
また通勤が不要になったので、自由になる時間が増えた人も多いことでしょう。
その一方で、家に籠もる生活が続いてストレスを感じることも多くなりました。

これらの状況を背景に、趣味の時間を利用してバイクで出かける人が増えています。
バイクは三密を避けることができる乗り物で、これまでバイクに興味がなかった若い世代がバイクを購入しているという調査結果も出ています。
これによって下火だったバイクの販売台数が上昇傾向にあり、数年ぶりに40万台の大台に乗ったことでも話題を呼びました。
久々のバイクブームの再来と、二輪業界に喜びの声が広がっています。

若い世代にもバイクブームが広まりつつあるのは、彼らの親が青春時代にバイクブームを経験しているのも理由の一つだと考えられます。
1980~1990年代に一世を風びしたオートバイは、50代を中心とする中年世代にバイク全盛期の青春を過ごさせました。
バイクの魅力を知っているので、子どもがバイクを欲しがってもむやみに反対をすることが少ないのです。
むしろ、親子でツーリングを楽しむ家庭が多いのではないでしょうか。

若者だけでなく、シニア世代も長く乗り続けるために

50代はもちろんのこと、60代以上のシニア世代でもバイクを愛用している人はたくさんいます。
日常の足として買い物や通勤に利用するほか、趣味として各地にツーリングに出かける人も少なくありません。
バイク業界では、若者世代の新規参入を大歓迎しています。

しかし、長くバイクを愛用してきたシニア世代を大切にすることも、バイクブームを単なるブームに終わらせないための重要な取り組みではないでしょうか。
高齢になるとどうしても、反射神経が衰えます。
高齢者が自動車免許を自主返納する動きがあるように、安全のためにバイクを辞めようと考えている人もいることでしょう。

とはいえ、人生100年の時代となった現在、若々しく元気な60代・70代の人がたくさん活躍しています。
シニアバイカーの多くが、趣味のバイクを生き生きと楽しんでいるのです。
シニア世代が安全かつ楽しくバイクを楽しめるサービスを考えることも、バイク業界を活性化させる戦略ではないでしょうか。
なぜなら、シニア世代がバイクをあきらめるのは、体力の衰えもありますが経済的な余裕がなくなることも理由の一つだからです。

60代以上はバイクやバイク用品の値下げサービスをする、買い物時のポイント付与を2倍にするなど、シニアに向けた優遇サービスを提供するのも一つの方法かもしれません。
若者からお年寄りまで、誰もがバイクを楽しめる社会が理想ではないでしょうか。