バイクのデザイナーになるには

バイクのデザイナーの種類

オートバイデザインの分野には、さまざまな専門職が存在します。
代表的なものとして、スタイリングデザイナー、CMFデザイナー、クレイモデラー、デジタルモデラーが挙げられます。
一つのモデルを完成させるためには複数のデザイン専門家が協力し合う必要があるため、チームワークが非常に重要です。
一方、デザインの仕事は幅広く、デザイナーによってかかわり方が異なるのですべての業務を一人でこなすこともあるそうです。

なお、バイクの知識がなくてもバイク業界でデザイナーとして働くことは可能です。
二輪免許がなくても問題なく、採用試験に影響することはありません。
入社後にバイクに関する知識を学び、余裕があるときに二輪免許を取得すれば十分です。

実際、オートバイに関する知識がない状態で入社した方がよい場合もあると言われています。
バイク好きでない人だからこそ、魅力的なバイクをデザインできる可能性があるからです。
異業種から転職してくるデザイナーも少なくありません。

バイクデザイナーの仕事内容

デザイナーのおもな仕事は、絵を描くことです。
絵を描く目的は、自分のアイデアを他人に効率的に伝えるためです。
言葉で説明しても聞く人によって理解が異なるため、絵が最もわかりやすい方法とされています。

手描きやデジタルスケッチに関係なく、絵はアイデア伝達の手段です。
デザイナーが何かを作り出すときや検討するときは、まずアイデアスケッチを描きます。
その際、コンセプトの世界観を明確に設定し、検討した上で描き始めます。
描いたコンセプトからさらにアイデアを絞り込み、最も魅力的なデザインに仕上げるのがデザイナーの役割です。

デザインが決定されるまでに、おおよそ100枚程度のスケッチが描かれることが一般的です。
経験を積むことで、ある程度頭の中でデザインを構築できるようになると言われています。
アナログかデジタルかはどちらでもよいですが、最近ではデジタルスケッチが主流となりつつあるようです。

二輪と四輪の大きな違いはエンジンが露出しているかどうかです。
そのため、バイクのデザインの場合、デザイナーだけの知識ではスケッチを描くことが難しく、設計担当者の協力が必要となります。
つまり、実現可能かどうかをスケッチ段階から設計担当者と密接に検討していくことが重要です。
特にネイキッドタイプのバイクでは、エンジンなどのレイアウトを先に決定した後、ほかのデザイン要素を描くことがあるとされています。
一方、スクーターのようにエンジンがボディ内に隠れている場合は、スタイリングスケッチが先行することもあるでしょう。

自動車の場合、フロントフェイスとリアフェイスのデザイナーが異なり、インテリアにも専門のデザイナーが存在します。
したがって、二輪と四輪ではデザイナーの仕事内容にかなり違いがあると言えるでしょう。