道路のひし形のマークの意味を知っていますか?

道路にあるひし形マークは何のため?

道路にはさまざまな標識が描かれており、停止線や矢印などがあります。
ひし形マークもその中の一つですが、その目的については多くの人が知らないという状況があります。
山梨県警が2020年に免許更新時に警察署を訪れた人々を対象に実施したアンケートで、ひし形マークの意味を理解していなかったり、誤った答えをした人が全体の60%以上に達したという結果が明らかになりました。
このことから、ひし形マークに対する認識の不足が示唆されています。

このひし形マークは横断歩道や自転車横断帯が近くにあることを示すためのもので、基本的には横断歩道や自転車横断帯の約30メートル手前に1つ、そして10~20メートルの間隔でさらに1~2つ設置されています。
このマークが表示されている目的は、横断歩道や自転車横断帯を利用する歩行者や自転車利用者の安全を確保するために、ドライバーに事前にその存在を知らせることです。

しかし、すべての横断歩道や自転車横断帯にひし形マークがあるわけではありません。
信号が設置されていない道路や、道路の状況や交通状況によって横断歩道が事前に十分に認識できない場所にも設置されています。
つまりひし形マークは、信号のない場所や見通しの悪いカーブの手前にある横断歩道等の前にあるということです。

では、道路にひし形マークがある場合、車やバイクはどのように対処すべきでしょうか?
道路交通法の第38条第1項によれば、車両が横断歩道や自転車横断帯に近づく際、歩行者や自転車が渡ろうとしていないことが明確にわかる場合を除き、横断歩道の直前で停止できる速度で進む必要があります。
また、歩行者や自転車が横断中であったり横断しようとしている場合には、横断歩道の直前で一時停止し、通行の妨げにならないようにしなければなりません。
さらに同法第38条第2項では、横断歩道やその前で停止している車がある場合、歩行者や自転車が車の影から現れる可能性があるため、その車の近くを通過して前方に進む前に一時停止しなければならないと定められています。

歩行者がいるかどうかに関わらず速度を落とすことが重要

道路上でひし形マークを見つけた際には、前方の横断歩道や自転車横断帯を渡ろうとしている人がいるかどうか確認し、明確にわからない場合はいつでも停止できる速度で横断歩道の手前を通過することが大切です。
とはいえ、信号のない横断歩道では、渡ろうとしている歩行者や自転車に気づかないドライバーも少なくありません。
実際JAFが毎年全国で行っている調査によると、2022年の一時停止率は全国平均で39.8%でした。
これを機に、改めて自分の運転を見直してみてはいかがでしょうか。